2016年9月9日金曜日

工事中

  惑星観測装置担当の山本です。

 先日、近江神宮に参拝したところ、桜門が補修中と言うことで、工事用のベールに包まれておりました。本年平成286月から9月中旬まで、と言う事で、滅多に見られないものを見られた、と考えることにします……
 
 
近江神宮の桜門(工事中)

 とはいえど、昨年も、黒壁で有名な滋賀県の長浜城に行ったところ、こちらも改修工事中でした。ちゃんと下調べをしておけ、と言う話ではありますが、京都においても、東本願寺の大補修をはじめとした京都に散らばる各名所、いつもどこかで補修を行っています。これも京都・滋賀だけの話ではないですね。桜門の補修も珍しい光景ではなく、いつもどこかでなにかを直しているのが日本という国です。
 日本の四季が豊かと言うことは、一年を通して大きな寒暖の差があり、また毎年台風がやってきますし、数十年、数百年で大きな地震に見舞われます。つまり日本という国は、直しても直してもあとからあとから破損の原因がやってくる、と言う環境であると言えます。こうした環境的・物理的な要因によって各地の補修工事が行われている面があります。
 こうした環境であるからか、「満つれば欠くる世の習い」という言葉が生まれました。完成してしまえば後は壊れるだけ、"だから未完成のままにしておく"というのが日本の文化でもあります。現在上映中の怪獣災害映画にも「スクラップアンドビルドでこの国(日本)はのし上がってきた、だから今度も立ち直れる」というセリフが出てきます。モノを作っても壊れてしまう。しかしながら、今は未完成でも常に補修、改修、改善をしていくことで完成へ近づけていく、そうした意思こそが、日本人の本質なのかも知れません。
 
 とはいうものの
 
 現在我々が開発している、太陽系外惑星撮像装置SEICAが未完成で良い、とする人は一人もいないでしょう。もちろん機能アップの余地や、保守管理のしやすさなどは考慮しておくべきですが、科学装置に関しては毎回同じ性能が出るように「完成」させておかなければなりません。
 前回4月に予告したように、現在は補償光学装置の性能評価が行えるようになり、どうした改善が必要かを検討しています。また実際に望遠鏡に搭載する装置の設計・製作・組み立ても始まっています。
 
 完成はまだ遠い光景ですが、これからも開発を行っていきます。
  

それでは!


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