2015年2月20日金曜日

2015年

  観測装置担当の山本です。

  もう年が明けてから一月半も経ってしまっていますが、皆様、あけましておめでおとうございます。本年もよろしくお願いいたします。しかし2015年です。2015年。いやはや。2015年というのはなんとも感慨深い響きを持っています。2015年は「未来」そのものなのです。

  1989年公開のハリウッド映画『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2』において、マイケル・J・フォックス扮するマーティーがクリストファー・ロイド扮する科学者ドクによって開発されたタイムマシン『デロリアン』が、「現在」の1985年からタイムスリップした「未来」が何を隠そう、2015年です。今年に入ってからたびたびメディアでも取り上げられていますので、皆さんもご存知かもしれません。具体的には20151021日。我々は今まさに、30年前から見た、30年後の未来、を生きているわけです。書いていて自分でワクワクしてきました。最近はあまりテレビ放映もされていませんが、その魅力は色褪せることはないでしょう。映画の中では様々な「未来予想」がなされています。ご覧になったことがある方も、ない方も、答え合わせのつもりで鑑賞されても楽しいかも知れません。

 さて、子供の頃からビデオテープが擦りきれるほど見ていたバック・トゥ・ザ・フューチャーですが、私が2015年と聞いて真っ先に思い出す作品は、実は別にあります。1995年放映開始のテレビアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』です。謎の生物「使徒」と闘うために作られた巨大ロボット「エヴァンゲリオン」を巡る様々な謎と、複雑な人間関係などを描いたSF作品で、放映終了後非常に話題を呼びました。さて、この第1話で一番最初に画面にデカデカと表示されるのが、『時に、西暦2015年』という時代設定なのです。20年後の(近い)未来である、と言う事が重要でした。これを書いている現在、物語を再び組み直した4部作の『新劇場版』が順次公開されており、あとは完結編だけ、なのですが、まだ公開情報は解禁されていません。「完結編を公開するなら物語の舞台の2015年しかないだろう!!」という予測をしていますが、テレビ版の最終回が物語中での2016年なので、まだちょっと先かも知れません……

 ちょっと脇道にそれすぎですかね? もう少しだけ。じつは2015年はスター・ウォーズ、007、ジュラシック・パーク、ターミネーター、ミッション・インポッシブルなど、映画のビッグタイトルが狙い澄ましたように、最新作の公開を予定している年でもあるのです。未来が実際に立ち現れる年、新しいものが動き出す年。もしかしたら2015年にはそんなイメージがあるのかも知れません。

 そんな2015年が持つ「未来」「新しい」というイメージに合わせるように、京大岡山3.8m望遠鏡が、本年3月中の完成を目指して組み立てられています。私が担当している観測装置も、望遠鏡への搭載に向けて組み立て・試験を行っています。5年後、10年後の新発見に向けた準備は、着々と進んでいます!!




画像は観測装置の一番の肝となる部品。中央の金色にぼけている部分が重要です










2015年2月10日火曜日

研削風景

こんにちは。鏡製作担当の高橋です。

今回は鏡を研削している風景を紹介します。京大岡山3.8m望遠鏡の主鏡は、(株)オハラさんから納入されたクリアセラムという硝材を研削、研磨して仕様を満たす形状に仕上げていくのですが、これまで一度も研削風景を紹介していなかったことに気づいて、少々焦ってしまいました。







これが、研削の様子を写した写真で、中央に見える黄色い物体が望遠鏡の主鏡、外周12枚のうちの1枚で、ざっくり1メートル四方のサイズです。続いて、左上の黒いのは砥石カバー、その下から少し見えている円盤が研削砥石です。静止画では分かりづらいですが、硝材は地面に垂直な軸に対して、砥石は奥の壁に垂直な軸に対してそれぞれ回転し、さらに硝材は画面右から左に向かって移動、それに伴って砥石は下に向かって移動していて、この動きで鏡が凹面に削られていきます。
硝材や砥石にかけられている液体は「研削液」とよばれるもので、砥石と硝材の摩擦熱を奪い、削りかす(スラッジ)を流す役割があります。研削加工には必要不可欠なものですが、これはただの水でなく、防錆材や潤滑成分などが含まれていて、少し臭うのが難点です。加工の観察などしている際に濡れてしまい、しょんぼりしてしまうこともあります。

さて、この研削加工ですが、一回の加工で削り取る厚さは0.03mm。これは粗加工時のもので、仕上げ段階ではさらに少なく 0.001mmにまで下がります。外周用主鏡セグメントの最終加工深さは16mm弱なので、500回以上かけてようやく必要な形状が得られます。

こうして、鏡は次々と加工されていくのですが、スラッジは研削液と共に流れていき、沈殿、ろ過などを経て液と分離されます。この分離されたスラッジ、鏡一枚当たり10kg以上でて、主鏡だけでも18枚あるため結構大量になります。
塊だった時にはかなり高価だったものなのですが、粉状になってしまうと。。
どなたか欲しい方いませんか?

  では、また。