2015年12月18日金曜日

マイヨール博士の言葉

  プロマネの栗田です。
  20151112日に京都賞のワークショップに参加してきました。今年の京都賞基礎科学部門の受賞者は初めて太陽型恒星のまわりを公転する系外惑星を発見したスイスの天文学者ミシェル·マイヨール(Michel Mayor)博士でした
  博士が惑星を検出した方法はドップラー法と呼ばれる方法で、惑星の引力によってゆすられる星の光のズレを検出するというものです。このズレとは、通り過ぎるサイレンの音色が変わるのと同じ原理で、惑星をもつ星が観測者に対して前後に動くとその変化が光の色の変化として現れるというものです。しかし、惑星は星に比べてとても軽いので、星の動きもとても小さいのです。博士らは秒速数十メートルの動きを検出できるような分光器(HARPS ELODIE)を仲間と開発しました。光の速さは秒速30万キロメートルですから、1千万分の1の変化を検出できるというとてつもない装置です。例えば、東京都の人口がひとり増えたか減ったかを感じることができるということです。すごいですね!






  この写真はワークショップの会場の廊下に博士の経歴を紹介するために飾られたもののうちの一枚です。美しい星空と博士らが実際に観測に使った望遠鏡が映っています。その写真によせられた言葉が印象的でしたので最後にそれを記したいと思います。

 「正直で親切、他者を尊重できる人を尊敬する。HARPSの開発が成功したのも、メンバー全員が前向きで互いに好意的だったからだ」


0 件のコメント:

コメントを投稿