2014年1月29日水曜日

うまどし




こんにちは。鏡製作担当の高橋です。

1/11に国立天文台 岡山天体物理観測所で行われた第31回望遠鏡技術検討会に参加してきました。
栗田さんも書かれたように、会議の前に3.8m望遠鏡の建設予定地の見学が行われました。私も写真を撮ったので、ごらんください。
奥に見えるのが現在岡山観測所で使用されている188cm望遠鏡のドームで、手前の広場が3.8m望遠鏡の建設予定サイトになります。まだ何もない空間ですが、完成した凛々しい(?)望遠鏡の姿をイメージして、少し興奮してしまいました。
さて、会議はいつも通り有意義な議論がなされましたが、少し驚いたことがその後の懇親会であったので、それについてちょっとお話します。
今年は午年で、実は私は年男なのですが、この望遠鏡計画に関わる方々に、午年の方が非常に多いことが発覚したのです!下は24才から上は72才まで、ざっと数えても10名程の方々が午年で、はっきりと計算してはいませんが3割近くを占めるのではないでしょうか。予算がついて、本格的に動き出したこの午年に、年男の一人としてしっかり走らねば!と気持ちを新たにした今回の技術検討会でした。

今年もどうぞよろしくお願い致します。









2014年1月23日木曜日

観光案内

プロマネの栗田です。望遠鏡本体予算の内示が出て良い新年のスタートが切れました。そして、年明け早々チーム内の定例会議(第31回望遠鏡技術検討会)を岡山観測所で行いました。写真は望遠鏡の建設予定地です。ちょっとあいにくの天気でしたが、瀬戸内海を一望できる風光明媚なところです。
今回は周辺の観光案内をしたいと思います。まず、観測所へのアクセスはこちら。ここには天文博物館があり、ときおりイベントも開催しています。近くには渋~い、遥照山温泉もあります。静かなとてもいい温泉です。また、同じ山には藤波湖畔キャンプ場があり、カップルもご家族連れも泊りで2日間思いっきり楽しめます。さらに、温泉の近くには日月水火(ひつききび)神社というなんとも天文学者には有り難い名前の神社があります。詳しいことは知りませんが文字通り宇宙に関連した神様の様で、きれいな夜空を求める天文台がここにあるのも偶然ではないと思います。由来などご存知の方は是非教えてください。
最後になりますが、残念ながら建設予定地はまだ立ち入り禁止です。すみません。

2014年1月16日木曜日

日本とスイス


観測装置担当の松尾です。
本年もどうぞよろしくお願い致します。
今年は望遠鏡のファーストライトに向けて一気に加速する年です!ご期待ください。
 
さて、今日ご紹介するのは、少し前に行なわれたSwiss-Kyoto Symposiumでの出来事をご紹介したいと思います。
このシンポジウムは、2014年に日本とスイスが国交樹立150周年を迎えるのにあたり、スイス連邦工科大学チューリッヒ校、ロザンヌ校、チューリッヒ大学の3校と京都大学が研究交流を活発化させることを目的に、自然科学から工学にわたる16の分野で2日間にわたって共同研究に向けた議論が行なわれました。
その16の分野の一つにAstrophysis (宇宙物理学)があり、16の分野の1つで、私はその分科会に参加してきました。

詳しくはこちらをご覧ください 

 

私はこの3.8m望遠鏡と、その望遠鏡で太陽系外にある惑星を発見し、大気を調べる観測装置について紹介をしました。
狙いは、このシンポジウムの目的の通り、スイスの研究者とこの観測装置の共同開発を行うことです。実は、スイスは大陽系外にある惑星を最初に発見した国で系外惑星の研究が大変盛んです。
 今回、星・惑星形成研究の世界第一線で活躍している研究者が参加していました。
彼は、チューリッヒ校の星・惑星形成グループのディレクターで、そのグループでも太陽系外の惑星を発見するための観測装置の開発を行っています。彼は、3.8m望遠鏡の観測装置に興味を持ち、技術の一部を提供することを約束してくれました。

 シンポジウム後もその実現に向けて議論を重ねています。この3.8m望遠鏡の開発・観測を通して、日本という枠組みを超えて国際共同研究へ発展することを願っています。



2014年1月8日水曜日

新年明けましておめでとうございます。

 附属天文台長の柴田です。 昨年1227日にブログを頼まれたのですが、間に合わず、年明けのご挨拶となりました。望遠鏡関係では、年末に大きなニュースがありました。3.8m望遠鏡の建設費が補正予算の概算要求で内示を受けました。ただし、ドームの予算は残念ながら、認められませんでした。しかしとにかく、大きな一歩となったことは間違いありません。長田さん、栗田さん、みなさん、技術開発に加えて予算獲得までの様々な仕事、ご苦労さまでした。


 年末には、もう一つ、プライベートなことで、ビッグニュースがありました。
12
19日に初孫が生まれたのです! 予定日は1222日だったのですが。おもしろいことに、19日の夕方には、浅井歩さん(宇宙ユニット)のお子さんも同じ日に生まれたと連絡が来ました。そしたら横にいた天文台分室事務の平井さんも、「親戚のお子さんが同じ19日に生まれた」とのこと。ひょっとしたら満月のせいかも、とみんなで大笑いして盛り上がりました。女性の生理の用語に初潮という言葉があるくらいですから、月の潮汐力が影響あるのかもしれませんね!? 1221日~23日には、神奈川県葉山で「惑星と生命」というタイトルの研究会があり出席したのですが、そこの懇親会でも、初孫の誕生を紹介し、満月との関係があるかも、と酒の席を盛り上げていましたら、理研の望月優子さんが、「満月の日に自然分娩が多くなることは、きちんと統計的に確立されています!」と、ご自身の講演の冒頭で紹介してくださいました。これには驚きました。
数学者の藤原正彦さんが翻訳された「月の魔力」(東京書籍、1996年増補版)という本の付録に載っているとのことです。早速、この本を購入しました。そしたら原論文の reference も分かりました。
 
Masahiko Fujiwara (1992) Biological Sciences in Space, vol. 6, No. 1, pp. 66-71,
  “Lunar Periodicity in Birth Rate and a Mathematical Model”

 
   すぐにグーグルで探しダウンロードしました。藤原正彦さんご自身の論文です。その論文中のFig. 2 が以下の図です。新月と満月の時刻の前後7日間における出生数との関係です。新月または満月から1日前と3日後に極大があります。おもしろいですね! ここから、ちょっと飛躍して、月(衛星)の潮汐力は、地球外生命の誕生や進化に影響あるのかどうか? こういう宇宙生物学的な問題も3.8m望遠鏡で研究できたら楽しいですね。